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現地レポート

母は強し! RSS

2016年1月1日 21時58分

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孤独は情熱を復活させる――フランスの画家、ポール・ゴーギャンはそう言ったが、孤独とは反対にある、子どもを出産してもなお、彼女の情熱は消えることがなかった。

3Pシュートを放つエンジェル⑤浅利 優選手

3Pシュートを放つエンジェル⑤浅利 優選手

「第91回天皇杯・第82回皇后杯(以下、オールジャパン)」は1日目。女子1回戦、中国ブロック代表・エンジェルのキャプテン⑤浅利 優選手は7歳の女児と4歳の男児の母親である。

「チーム自体、出産後に復帰することが当たり前というか、そういう選手が私以外に何人もいるんです。もちろんそれは周りの協力があってこそで、主人もそうですし、チームのなかにも“子守り部隊”のような人たちがいて、自分の子どもだけでなく、みんなでみんなの子どもを見てくれているんです。そういう安心感があるので、バスケットも充実できています」

充実は果たして、浅利選手ら数名の“母親プレイヤー”を持つエンジェルを、14年ぶり2回目のオールジャパン出場に導いた。結果は関東ブロック代表の松蔭大学に47-85で敗れたが、浅利選手は「楽しかった」と言う。

もちろん勝ちたい思いもあったが、身体は正直で、学生のころのように動くことは難しい。チームも世代交代の真っただ中で、経験の少ない選手が多いためにプレイのイメージを共有できていない。それがまた精神的な疲れをも生み出してしまう。それでも浅利選手は「ピック&ポップ」から3Pシュートを狙い、絶妙なフレアカットから3Pシュートを狙い続けた。走り込む味方を見つけては、ステップからのラストパスを何本も送っていた。

どれだけ点差を離されてもエンジェルから笑顔は消えなかった

どれだけ点差を離されてもエンジェルから笑顔は消えなかった

「高校は決して強豪校ではなかったのですが、鹿屋体育大学に進んだときに周りのチームメイトが全国レベルの選手たちだったんです。彼女たちと肩を並べられるように細かい練習をしてきたことが、今の一つひとつの動きに生きているんだと思います」

今回は思っていた結果を得られなかったが、それでも出産・子育てをしながらも続けられるバスケットは捨てたものではない。むろんそれはエンジェルというチームだからこそ、できることでもある。浅利選手も改めてそう思えたのではないだろうか。2階スタンドにいた浅利選手の子どもたちも、元日からプレイする母親のバスケットを応援できて、例年とは異なる元日を楽しんだはずだ。
「(東京に)出発する前日まで仕事があったんですけど、年末に捨てるものは捨ててきたし、洗うものも洗ってきました」

やはり母は強し、だ。お母さんプレイヤーは家事も育児も、そしてバスケットも手を抜かない。

エンジェルは、選手とその家族にとって、もうひとつのホームといえる

エンジェルは、選手とその家族にとって、もうひとつの帰るべきホームである

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