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現地レポート

輝き続ける背中 RSS

2016年1月4日 19時09分

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これが10分・4ピリオド制のおもしろさであり、難しさなのだろう。第3ピリオドまでは自分たちのものだった“流れ”が、最後の10分で手のひらを返したようにそっぽを向いてしまった。

「第91回天皇杯・第82回皇后杯(以下、オールジャパン2016)」は4日目。女子準々決勝、WJBL4位のトヨタ自動車 アンテロープスは、同5位のシャンソン化粧品 シャンソンVマジックに62-66で敗れた。トヨタ自動車にとっては痛恨の逆転負けである。

トヨタ自動車 アンテロープスを引っ張る①大神 雄子選手

トヨタ自動車 アンテロープスを引っ張る①大神 雄子選手

司令塔としてチームを引っ張ったのは①大神 雄子選手。2年間のブランクを経て、今シーズンからトヨタ自動車でプレイしている。その大神選手が言う。

「2試合目のパワー、ゲームへの準備、相手を支配すること、チームで戦うこと……そのすべてが30分間はできていました。でもバスケットは40分のスポーツ。いくら30分、いいバスケットをしていても、最後にひっくり返されるのは、自分たちに何かが欠けているから。それが勝ち切れなかった要因だと思います」

言葉を選びながら、それでいてしっかりと敗因を語るところは、さすが日本を代表するプレイヤーである。

彼女自身、オールジャパン2016にかける思いは強かったはずだ。一昨年は中国リーグでプレイしていて不出場。昨年はその中国のチームに急きょ登録できなくなり、しかしそのころにはWリーグの選手登録も締め切られていた。そのためにオールジャパンにも出場できない。苦しい浪人生活を余儀なくされたわけだ。

それでも彼女は前向きに自主練習を重ね、今シーズンはプレイする場を得た。得たからにはそのチームの勝利に貢献したい。そして、チームを勝利に導く重要なピースとして存在感を示したいと考えていた。それは多くのファンに見せる彼女の笑顔が、実に締まった、アスリートのそれだったことからもわかる。

大神選手の存在感はベンチに下がっても光り続ける

大神選手の存在感はベンチに下がっても光り続ける

「リーグ中もなかなかパフォーマンスが上がらず、ドナルド・ベックヘッドコーチからも『オーバーシンキング(考えすぎ)だ』と言われてきました。すると今度はオーバーシンキングなのかと考えすぎて、プレイに迷いもありました。でも、だからこそ、チームで結果を出すことで、個人として得られる自信もあることを証明したかった……」

逆転の上に、僅差の負けはポイントガードして、その責任を強く感じる。その責任感は大神選手にさらなる風格をもたらす。

敗れたとはいえ、チームが標榜しているチームディフェンスが機能し、今シーズンのWリーグで2位につけているシャンソン化粧品の勢いを止められたことは手応えとして残る。残り10分の敗因は今後の成長の余白でもある。

「自分たちには、もうひとつ掲げた目標がある。それを達成するためには、一人ひとりが変わらないといけない」

日本の女子バスケット界をけん引し続けるベテランは、勝利のために変化を厭わず、そのための努力も惜しまない。

日本の女子バスケット界をけん引してきた背中は、ここからさらに進化する

日本の女子バスケット界をけん引してきた背中は、ここからさらに進化する

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